その便秘こそ大腸ガンの黄信号
 1章 その便秘、放っておくとガンになる
  (3)大腸ガン、これだけ知れば大丈夫

大腸ガンは遺伝するか?

ガンに関する相談で比較的多いのが、遺伝に関する悩みです。
「私の父は大腸ガンで亡くなったのですが、私も大腸ガンが発症するのではないかと不安です。検査は何年おきに受けたらいいですか」といった相談です。
すべてのガン因子が遺伝するとは言い切れませんが、ガン体質のいくつかは遺伝することが知られています。
大腸ガンの場合も、ガンを発症する原因の数パーセントには遺伝的背景があると考えられています。
たとえば、家族の中に五〇歳以下で大腸ガンになった人がいる場合は、それ以外の人より大腸ガンになりやすいと言えます。したがって、早期発見のためにも、家族の中に大腸ガンや大腸ポリープの既往症を持った人がいる場合、なるべく若いうちから検査を受けておくべきでしょう。
理想としては、35歳から2年に一度は検査を受け、もしポリープがあったら翌年も受ける、受けない年には便潜血検査を行ないます。
最低限の条件は、40歳を過ぎたら五年に一度、大腸内視鏡検査を受けることです。
遺伝についてもうちょっとお話しします。多発性ポリープと大腸ポリポーシスという、病名があります。
大腸ポリープが10個以上あると多発性ポリープといい、100個以上!!あると大腸ポリポーシスといいます。100個以上ある人は、生まれつき大腸ポリープを作る遺伝子を持っている人です。先の4カードで説明すると生まれつき1カードを持って生まれてきた人です。これは遺伝するので、家族性大腸ポリポーシスとも言います。しかしポリープ1つをとってみたら、それは普通の人にできるポリープと全く同じものです。
普通の人のポリープでもだいたい、10個に1つくらいはガン化しているので、ポリープが10個以上ある多発性ポリープの人は、大腸ガンになりやすい。毎年、大腸内視鏡をやっておかないと非常にガンになりやすい人です。家族性大腸ポリポーシスは100個以上ですから、非常に危ない。内視鏡でとってもとっても追いつかない。私の知っている先生が家族性大腸ポリポーシスの患者さんのポリープを全部取ったことがあるそうですが、それでも安心できません。その人の大腸粘膜の全ての細胞は生まれつきポリープを作る遺伝子を持っているので、すぐまたできてしまうからです。だから、家族性大腸ポリポーシスの人はガンになる前に手術して、大腸をぜんぶ取ってしまいます。
ある時40才くらいの中年の夫婦が大腸ガンの検査に来ました。ご家族が大腸ガンでなくなって、心配だから受けに来たというのです。よくある話だと思って、どなたが亡くなられたのですかと聞いたら、18才の娘だというのです。悲しいことを思い出させて申し訳なかったですが詳しく伺うと、貧血があり検査をしたら大腸ポリポーシスでガン化しており、発見から数ヶ月もしないうちに肝転移をして、この間亡くなったというのです。
いずれにしても、大腸ガンになりやすい体質というものがありますから、家系にガンのある方や、今までにご自分にポリープがあった方は用心して定期的に大腸内視鏡検査を受けるようにして頂きたいと思います。

19