その便秘こそ大腸ガンの黄信号 検診と検査、違いはわかりますか?
2章 大腸ガンではぜったい死なない
(1)大腸ガンを100%予防する
集団で受ける簡単な検査が検診、検診で異常がでたり、個人で特別に受ける検査が精密検査です。精密検査のことを単に検査ということもあります。検診は手軽で安価ですが精度が低く、検査は高価な分、精度は極めて高い。どれくらい違うかを簡単にいうと、大腸ガンの場合、検診をやるとガンは半分に減るが、検査をやると99%減るでしょう。
企業単位で集団検診を受ける際、大腸ガンの早期発見のためにと最も普通に行なわれている検診が、便潜血検査です。
大腸ガンの症状の一つとして出血があります。出血のうち、それを目で確認できるのが下血です。一方、目には見えないのに便に血が含まれている場合があります。これが便潜血で、出血量が少ないために目では確認できないのです。
このような微量の出血を見極める検査が便潜血検査というわけです。
「年に一度、必ず便潜血の検査を受けていて、一度も陽性になったことがないから、私は大丈夫ですよ」と自信を持っている人がいます。しかし、内視鏡検査をしている経験から言うと、こういう人はむしろ危ないのです。
内視鏡検査を行なって、すでに進行ガンが発見されたケースもありました。患者さん本人は、「ずっと便潜血検査をやって、一度も出なかったのに、なぜ?」とショックを受けていましたが、便潜血検査で陽性が出なければ安心だと思っていてはいけません。
便潜血検査で陽性になり、その結果大腸ガンが発見できた人は不幸中の幸いです。ガンになったことは不幸なことですが、この検査でガンを見つけられる確率は、せいぜい五〇%程度なので、早く発見できて運のいい半分に入ったのです。
50%をもう少し詳しく説明しましょう。便鮮血検査では進行ガンの三割を見逃してしまいます。
早期ガンの場合、もっとひどく見逃し率は七割にもなります。
このことが便潜血検査の前に受診者に十分認知されていないで検診を実施するのは非常に危険なことです。毎年受けているからこそ、実際は危険なのに安心してしまって油断してしまうのです。手遅れになってから、「私はガンが心配だったから毎年検診を受けていた。もし検査が不完全なものだと知っていたらもっと詳しい検査を受けていたのに」という不幸な人を作らないためにも。
50%の検査を100%信じないでください。
私は検診自体を否定するものではありません。検診の意味をよく知って有効に利用していただきたいのです。
見つかったら運がいい、やらないよりはやった方がいいくらいに考えて受けていただきたいと思います。
後のデータにも出てきますが、検査を受けないときに9人亡くなっていたのが検査をしたら3人減って6人になっただけなのです。別な言い方をすると検診を受けても6人は亡くなったのです。