その便秘こそ大腸ガンの黄信号 解答を先に申し上げると、つまり脂肪をたくさん食べると、大腸ガンになり易いということです。
1章 その便秘、放っておくとガンになる
(1)汚れた腸が便秘と大腸ガンの原因だった
大腸ガンが多い地域の研究をしてみると、食事内容がはっきりと違います。
一番最初にわかったのは、大腸ガンの多い地域では脂肪摂取が多いということです。
脂肪摂取量は、もちろん国や地域によっても大きな差がありますが、同じ地域でも時間軸によって違ってきます。昔は脂肪摂取が少なかったのに、近年になって増えてきた、ということもあるわけです。たとえば、山間部などはタンパク質が摂りづらい地域だったのに、近年、流通が発達したおかげで好きなだけ摂れるようになった、あるいは冷蔵庫に保存できるようになったという、時間軸における変化があります。つまり、それまでは脂肪摂取量が非常に少ない地域であっても、時代によって変わってくるわけです。
冷蔵庫が普及するとしばらくして大腸ガンが増えてくるのは、どこの国にも共通した傾向のようです。この観点でいけば、大腸ガンは「冷蔵庫病」と言えるかもしれません。
また一方で、食事内容を見てみますと、最近わずか二〇年ほどの変化でしょうか、日本では、食事の急速な洋食化が進みました。
たとえば、欧米化した食生活の代表とでもいえるファーストフード店が、本格的に日本に上陸したのは一九七〇年代の初めでしたが、以来、ハンバーガーやフライドチキンはすっかり日本人の間に定着しています。
私はことさらハンバーガーやフライドチキンを目の敵にしているわけではありませんが、こういった食べ物が日本人の食習慣を変えたことは間違いないことでしょう。
そしてその結果、大腸ガンが急増してきているということです。
もちろん、日本人の食事の欧米化という問題は、何もファーストフード好きの若い人たちだけに見受けられることではありません。焼き肉や揚げ物類、乳製品などが食卓に並ばない日がなくなり、日本人の脂肪摂取量はアッという間に増加しました。中高年の方の中にだって、肉類や脂っこい食べ物を好む人は少なくありません。
いずれにしても、日本人の脂肪摂取量はずっと増えてきていて、脂肪摂取量と正比例する形で大腸ガンの発生率が上昇しています。
そして皮肉なことに、こうした日本の動向とは裏腹に、欧米諸国では、近年、日本食は「ヘルシーフード」として高く評価され、寿司や豆腐、醤油などが世界中で市民権を得ています。つまり日本食が低脂肪・低カロリーの健康食であることは、諸外国では広く知られているわけです。
はてさて、このような欧米のブームから外れた感のある現在の日本は、「一億総脂もの好き、脂肪好き」の様相を呈していて、まさに大腸ガン予備軍が激増している、といっても差し支えない状態にあるわけです。