その便秘こそ大腸ガンの黄信号 私の便秘外来に若い女性がたくさんきます。その人たちの悩みを聞くと便秘の悩みは大変深い。
3章 まずは便秘の予防から
(1)間違いだらけの便秘常識
便がでないと一日気になって何もできない。生活が便によって支配されてしまうのです。
こんなに苦しむなら「手術で大腸を切り取ってください」という人もいるくらいです。
大腸は何のためにあるのでしょうか?
食物は、小腸で栄養を吸収され、食物の残滓は大腸に行きます。
そこで、水分を吸収され、便となって排泄されるのです。
大腸の目的は、食物の残滓から水分を吸収するとともに、便量を減らし便をある程度の時間貯めておける状態にするということなのです。
要するに、大腸は食物残滓の貯蔵庫であるわけです。
こう言うと、大腸というのは大したことのない器官であるかのように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
大腸の名誉のために言っておけば、大腸がなければ、われわれ人間は文明的な生活はできなかったに違いないのです。
大腸が無ければ便を溜めることができず、そこら辺じゅうに垂れ流していては室内の生活は不可能でしょう。
どんな生き物にも小腸はありますが、常時垂れ流しの下等生物には大腸はありません。
大腸というのは基本的に便を溜めるための器官なのですから、大腸内には常時便があります。大腸内に貯まっている便を称して「宿便」と呼ぶことがあります。
大腸に便が長時間滞留しているほど便の状態は悪化します。すなわち、腐敗菌が増大し、大腸の中でどんどん腐敗ガスや有害物質を産生します。その結果、お腹が張ったり、腹痛といった症状が起こり、便秘がひどくなるだけでなく、大腸ガンになりやすい環境を作ります。
便通は通常一日一回以上あるものですが、もともと個人差が大きく、重度の便秘症で一カ月も便通がないという人も存在します。3日に1回でも、定期的にでて、その他の症状がなければ治療対象になりませんが、2日に1回でも症状が伴い、生活に不便があれば積極的に治療します。