その便秘こそ大腸ガンの黄信号
 3章 まずは便秘の予防から
  (2)「ダイエット便秘」が急増中

ダイエットのやりすぎで、必要な腸の筋肉までなくなる

私は、こうしたダイエット便秘≠フ女性を何十人も診察していますが、彼女たちの中には、過度なダイエットの結果、全身の筋肉量が減ってしまって筋力がひどく低下している人がいます。便を自力で押し出すための腸の筋力や腹圧をかける腹筋も弱くなります。
彼女たちは異口同音に「便がもうすぐ出そうなところまで来ているのに、自分の力では出せない」と訴えます。
だいたい、人の便というのは、おへその左側のやや下に位置するS状結腸あたりで止まっているものですが、腸の筋肉まで痩せてしまっている人は、ここにある便を直腸から外に押し出す筋力さえありません。本人も、腸が腸自身の力で便を押し出すことができないことを自覚していますから、このS状結腸のところにある便を、お腹の上から手と指でギューッと強く押し出すのです。
そんなことができるのか、と思われる方もおいででしょうが、ものすごく痩せている人は、お腹の上から容易に結腸にある便を触ることができます。
いつも指で便を押して排便している人たちは、おへその左下あたりを強く押してばかりいますから、その部分の皮膚が変色してしまっています。それは、見ていて本当に気の毒なほどです。
さらにひどい便秘の人は、自分で摘便する人もいます。摘便というのは、乾燥しきってコチコチに固まってしまった直腸の便を指でほじくり出す作業です。これは通常は、老化に伴って筋力が低下して自分で排便ができない老人に対して看護婦さんが行なっているケアの一つです。
若い人がそうしないかぎり排便できないというのは、過度なダイエットのおかげで、筋力が老人たちと同じくらいまで低下してしまったということでしょう。
とても悲惨な事実です。

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